市場経済と民主主義

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世界情勢を読み解くうえで、キーワードとなるのが、市場経済と民主主義。
市場経済が発達した国では、中産階級が生まれ、その後、必ず民主化が始まる。
市場経済と民主主義は密接につながっている。
かつてのフランスや日本がそうだったように、中国も同じ道をたどる。

そもそも市場経済と民主主義は、違う性質のものであり、また完璧ではない。
市場経済がグローバルで広がっていくものなのに対して、民主主義はローカルなもの。
そこにリスクがある。

・1つ目のリスク:
市場経済が発達すると、それが民主主義の境界線を越えて拡大し、
時には行き過ぎた競争が起きて、法による統治ができなくなる。
懸念されるのは、世界がソマリア化すること。ソマリアは20年間も無政府状態が続き、
マフィア、犯罪、貧困、麻薬等が蔓延している。
国境を越えるグローバル市場主義が国家の手に負えなくなると、
世界は無秩序なソマリアのようになってしまうリスク。

・2つ目のリスク:
市場経済と民主主義が発達するときは、個人が自由を欲しがる時でもあると言うこと。
その気持ちが余りにも過激化すると、人々が自分のやりたいことをいつでも自由に
できると思い込むようになり、不平等、不満、ナルシシズム、不誠実等が蔓延し、
時として、それらは原理主義やテロリズムにつながる脅威となる。

本来なら、こうした動きを監視する世界の警察やグローバル政府のような役割も
必要になるはずだが、そうしたものは現在ない。

現在の世界の状況は、米国の相対的な衰退が起きている第一段階の終わり部分にあり、
米国の警察力や法治が困難になったことにより、世界に無秩序が拡散している状態。

ジャック・アタリ氏 談

【ばたさんが語る】
アタリ氏は、フランスの頭脳ともいわれている人で、

「21世紀の歴史」と言う本を私も読みました。

民主主義って本当に良いのかと考えるときがあります。

私が14年住んでいた中国。
共産党による統治で民主主義には、ほど遠い国ですが、実行が速い!
例えば、道路を作るとなると、即行作ってしまいます。日本なら、
土地を買収して、手続きを踏んで、東京の環状道路を作るのに
何年かかっているのか。

中国も地上げ等を行う上で、問題が多々起こっているのは承知していますが
実行までの速さと言うのは、やはり特筆すべきことだと思います。

また、民主主義とは、結局のところ多数決ですから、今の日本では
老人の意見が非常に優先され、シルバー民主主義などと言われています。
加えて、日本の富のうち大部分を有しているのが、老人なのですから。

にも拘らず、年金や保険は、資産を有していない、人数の少ないその下の世代が
背負うって、いつも疑問に思います。

その老人の資産を少しでも活用するだけで、うまく行けば兆単位、億単位の
効果が出るわけで、賢明な人が老人資産を活用する案を実行してくれれば
安倍総理や日銀の黒田さんが苦悩せずとも、景気は良くなると思うのですが。

ま、いつの時代も既得権益との戦いですね。

第12回 了

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