なぜあの店は潰れないのか?④ ~ぼたんやさん~

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福岡県久留米市にあるぼたんやさん。

この店は、辻野帽子店のような希少性と馬場寝具店のような

低原価の双方を備えた店です。

まず希少性。ボタン専業で行っているのは、久留米ではこの店だけです。

計算上の希少性は、辻野帽子店ほどではありませんが、人口30万人、

200㎢で1軒の店です。

主要顧客の1つが洋裁教室に通う生徒たち。

ボタンホールを作る穴がかり等、特殊で難しい技術を請け負っています。

この請負がボタンの販売以上の利益を生んでいます。

この技術請負の単価は1個約100円。

しかし、この作業にかかる材料費は糸代だけです。

売上に対する費用はほぼ技術料となっています。

成熟極まる市場で、小さな店が永続するための条件の1つが

まず30万人に1軒、利幅9割と言った究極の希少性と利益率を兼ね備えること。

参照:日経ビジネス

【ばたさん語り】

ボタン屋さんの例を見た時は、びっくりしました。

低価格のボタンで、かつ購入頻度が低いと思われるのに商いを維持している。

洋裁教室に売り込むと言うのも盲点でした。

そんな方法があったのかと。

洋裁教室の生徒に対する請負で固定費を賄い、

店舗の売上で利益を稼ぐビジネスモデルになっていれば、

なかなか潰れないのではないかと思います。

あとは、月々の固定費の極小化。

固定費が低くなるほど、損益分岐点も低くなり

潰れにくくなります。

だから、2000年代前半に多くの企業が正社員をリストラし、

契約社員を増やしたのは、固定費化した人件費を減少させるとともに

契約社員を使うことで、随時人件費をコントロールすることを

狙ったものだと思います。

この時から年月が経ち、人手不足で正社員化を進めている企業が

増えているのは皮肉なものです。

【編集後記】

2月頭に植えたキュウリから、実が取れ始めました。

これから忙しくなるかな~

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