福岡県久留米市にあるぼたんやさん。
この店は、辻野帽子店のような希少性と馬場寝具店のような
低原価の双方を備えた店です。
まず希少性。ボタン専業で行っているのは、久留米ではこの店だけです。
計算上の希少性は、辻野帽子店ほどではありませんが、人口30万人、
200㎢で1軒の店です。
主要顧客の1つが洋裁教室に通う生徒たち。
ボタンホールを作る穴がかり等、特殊で難しい技術を請け負っています。
この請負がボタンの販売以上の利益を生んでいます。
この技術請負の単価は1個約100円。
しかし、この作業にかかる材料費は糸代だけです。
売上に対する費用はほぼ技術料となっています。
成熟極まる市場で、小さな店が永続するための条件の1つが
まず30万人に1軒、利幅9割と言った究極の希少性と利益率を兼ね備えること。
参照:日経ビジネス
【ばたさん語り】
ボタン屋さんの例を見た時は、びっくりしました。
低価格のボタンで、かつ購入頻度が低いと思われるのに商いを維持している。
洋裁教室に売り込むと言うのも盲点でした。
そんな方法があったのかと。
洋裁教室の生徒に対する請負で固定費を賄い、
店舗の売上で利益を稼ぐビジネスモデルになっていれば、
なかなか潰れないのではないかと思います。
あとは、月々の固定費の極小化。
固定費が低くなるほど、損益分岐点も低くなり
潰れにくくなります。
だから、2000年代前半に多くの企業が正社員をリストラし、
契約社員を増やしたのは、固定費化した人件費を減少させるとともに
契約社員を使うことで、随時人件費をコントロールすることを
狙ったものだと思います。
この時から年月が経ち、人手不足で正社員化を進めている企業が
増えているのは皮肉なものです。
【編集後記】
2月頭に植えたキュウリから、実が取れ始めました。
これから忙しくなるかな~