2017年 埼玉・世界盆栽展にて
特に、工場等を営む製造業や私が属する農業界に、多い考えが
良いものを作っていれば売れるだろうという神話。
売るためには良いものを作るのは大前提で、
現在はそれをどうやって売っていくかが重要です。
こんなことは、数十年前から言われ続けてきたと思いますが。
ただ、農業界では、どうやって売っていくかに
比重を置いている人は、少ないかもしれません。
私はキュウリ農家に勤めています。
そのキュウリを販売する方法として、
①農協を通じての市場販売
②特定の顧客(スーパーや加工業者)への販売
③道の駅等での委託販売
④ポケットマルシェ等でのネットを通じた販売
⑤直売所や通信販売等で自ら販売する
これらの方法が考えられるかなと思います。
もっと、多くの方法があるのでしょうが
私が思いつくものをあげただけなので、ご容赦願います。
さて、上記のように①~⑤までの方法を
あげましたが、これらの方法を使って販売した場合、
我々農家の手取りは、実際どうなるのでしょうか。
今、私がよく行くスーパーでは、キュウリが1本58円で売られています。
58円だとわかりくいので、1本50円で売られていると仮定して、
我々農家の手取りを見てみましょう。
①農協を通す方法:
手取り3割程度、1本15円程度と言われています。
農協、市場、スーパー等で手数料がどんどん引かれていくと
いうわけですナ。
②特定顧客への契約販売:
正直、農家の手取りは難しいですが、1本30円程度、
売価の5割から6割程度の手取りが得られるでしょうか。
農家からのメリットは、契約金額が一定なので、
市場価格が安くなっても、契約金額で販売でき、且つ安定的な売り上げが
見込めるということが最大の利点かなと思います。
デメリットとしては、市場価格が高くなったとしても
契約金額(1本30円)で売らなければならない。
また、収量が少ない時にも、出荷しなければならないので、
そのあたりの対応が難しい。
③④の道の駅やネットを通じての販売:
業者によって異なるようですが、売上に対して大体20%~30%の手数料を
取られるようです。
よって、1本あたりのキュウリの手取りは40~30円となります。
メリットしては、比較的高単価で売ることができるということが
あげられるでしょう。
一方のデメリットしては、業者によって販売方法が異なるので
その方法に合わせるのに手間がかかるということでしょうか。
具体的には、納入方法でクラウドを通じて入力するとか、
商品に貼るシールやバーコードが異なるので、
それぞれの業者に合わせる必要があり、手間暇がかかるということです。
⑤直売所等で自ら販売:
この方法は、1本50円のキュウリがまるまる手取りとなります。
直売所等の経費は考えていませんのであしからず。
売り上げがまるまる入ってくる反面、一番の課題は
その売り先を見つけるということですわな。
また、販売先を広げるための宣伝費用や人件費等も
かかってくるでしょう。
①~⑤までの販売方法をあげましたが
それぞれ一長一短あるということですな。
私も研究していかねばならないと思っています。